愛と欲望の設備選び(クロス&タイル編)
えー、新居で書く初めての記事であります。もっと落ち着かないもんかと思ってましたが、意外や意外、とっても快適。というわけで、目の前の田んぼから聞こえるカエルの大合唱をバックにお届けいたします。
もはやそろそろタイトルを変えたほうがいいんじゃないか的なムードではありますが、相変わらず欲望が尽きるところを知らないため、このまま続行。というわけで、壁とかの色を選びます。
といっても、私たち一家3人の程々の家、壁と天井の色を選べるのはパントリー、洗面所、トイレの3カ所。前回の記事でお伝えしたとおり、この中で洗面所とトイレは妻の強い希望で真っ白な空間になることに決定しております。
よく皆様がされているように、トイレの壁1面だけをアクセントクロスにするという案も出るには出たのですが、ぶっちゃけフツーの居室がアクセント過多のためお腹いっぱい気味。そのため、天井から壁から床まで白一色という、閉鎖病棟も真っ青の仕様となりました。
そもそも夫婦揃って壁紙には興味がないので、ショールームに行くのをサボってサンプルだけ取り寄せ、そいつをぼんやり見比べてみたものの、もうぶっちゃけ壁に張らないとわけわかんないよねという結論になり、というわけで防汚加工で抗菌加工でなんか国産の竹を使ってるとかいう、東リのWENシリーズから4201番を選択いたしました。キッチンやお風呂に比べて、はなはだ興味が無いのがバレバレであります。
妻「で、パントリーはどがんすっと?」
私「……」
妻「キチンと扉で仕切らんから中が丸見えやけん白じゃおかしかもんね」
私「……」
妻「かと言って回りの内装とも色が合わんばおかしいし」
私「……」
妻「むーん」
私「……黒は?」
妻「またそんな意識高そうな」
私「でもほら、木の色と合うし」
妻「それは確かに」
私「でもって、さっきの壁紙と同じシリーズで黒っぽいのあるし」
妻「4204?」
私「そうそう」
今回の間取りではパントリーの中に炊飯器とか洗濯機を置く予定。換気扇がついているとはいえ、若干湿気がこもることも考えられます。というわけで、やっぱり洗面室と同じような高機能の壁紙で、オマケに黒っぽいのもある(意外と黒って種類少ない)ので、こちらに決定。決して他のカタログをひっくり返すのが面倒だったわけではありません。
で、天井はちょっと迷ったのですが、隣り合うキッチン(こちらは天井が白)と合わせたほうがいいはずと思い、洗面所やトイレと同じ4201を選択。というわけで、クロスが2種類しかない家(しかも同じシリーズ)の誕生であります。
私「や、やっと終わった」
妻「2カ所選んだだけやっか」
私「なんかもうこういうチマチマしたの苦手でござる」
妻「あと1カ所残っとるよ」
私「え?」
妻「キッチンのタイル」
我が家のキッチンはペニンシュラ型になるため、コンロの横が壁になります。とはいえIHコンロを選択したため、特に横を防火処理する必要は無いのですが、さすがに木の壁だといろいろはねた時すぐシミになっちゃうし、かといってキッチンパネルもちょっとイヤ。
なんてことをちらっと打ち合わせの際に言ったところ、程々の家標準仕様のタイルがあるとのこと。で、あるにはあるのですが、イマイチ趣味じゃないので自分で選びますとか言ったのを思い出しました。
私「なんかこういう目地の大きいタイルって好きじゃないんだよなあ」
妻「なして?」
私「今住んでる賃貸がそうだから?」
妻「それはちょっとわかる」
壁紙はこれっぽっちも興味がなかった私たち夫婦ですが、タイルはなんというかちょっぴり非日常感があったりしてがぜん乗り気に。おまけに何と言ってもトーヨーキッチン様の脇を固めるアイテムで、部屋の中でもかなり目立つポジションに位置するため、こちらはうって変わってマジメに検討いたします。
妻「色はどがんすっと?」
私「真っ赤がいいなあ」
妻「趣味悪っ!」
私「ひどっ!」
確かに赤いタイルとか言うとなんかもういやらしさ満点みたいなムードでありますが、そもそも茶色と同系統の色のため、青とかに比べれば逆にしっとり見えるはず。ほら、あの初代iBookでブルーベリーよりもタンジェリンの方が日本の家としっくりきたのと同じ現象であります。
というわけで、こちらは壁紙と違っていそいそとショールームへ。名古屋モザイクからリクシルまで、1日かけてぐるぐる見て回ります。
私「……」
妻「なかばい」
私「ないねえ」
妻「赤いタイルなんてどこもあって1種類やもんね」
私「人気ないのかなあ」
妻「だっていやらしかもん」
ホントにどこのタイル屋さんも、真っ赤に近い赤なんてほぼなく、しかも目の細かいタイプということで選択肢がさらに狭まり、おまけにせっかく見つけた赤いのを見てみると、タイルと言うよりクレヨンで塗ったようなのっぺりした赤で、とても手を出す気になりません。
と、そこでちょっと思い出したのがトーヨーキッチンのショールーム。こちらでもいくつかモザイクタイルを扱ってて、オマケにちょっと離れたところにタイル専門のショールームもあるとのこと。まあ、しょせんキッチン屋さんということで、あまり期待せずに表参道に行くことにいたしました。
トーヨーキッチンスタイル - シチス・トーヨーキッチンスタイル
私「あるぞ……」
妻「あるやっか……」
私「ありまくるぞ!」
えー、カンペキに私が無知だったのですが、こちらで取り扱っているタイルはトーヨーキッチン製ではなく、SICISというイタリアのタイルメーカーのもの。で、どういうわけだか知りませんが、名古屋モザイクなんて目じゃないほどの膨大な種類のいまいち役に立たなそうなタイルが並んでいたのです。
あ、ちなみに役に立たなそうなタイルっていうのは、こういうことね。
もちろんこんなしょーもないタイルがあるのであれば、赤いタイルなんて山ほどあります。これまでの1メーカー1種類体制からすれば選び放題であります。こちらのテンションもうなぎのぼりであります。いえーい!
で、こんな感じのラインナップの中から選んだのがこちらのタイル。シングルカラーのコーラル4というものです。
ガラスモザイクタイルの中ではいちばん暗めの色で、真紅というよりは血の色に近い感じ。まああまり真っ赤でもカープファンと間違えられてしまう可能性があるので、このくらいがちょうどいいでしょう。
もうひとつのポイントとしてはお値段。こちらのタイル、たとえば高いのだと1㎡あたり30万円を超えるというとんでもないエクスペンシブさなのですが、こちらのコーラル4は平米あたり4万円ほどと、まあまあ常識的なお値段。おまけにキッチンを契約した時にいただいた5万円分の商品券が使えたので、実質半額で導入できました。
SICISの中では安いとは言え、なんていうんでしょうね、寄って見たときの質感が国産メーカーとは雲泥の差なのですよ。同じガラスモザイクタイルでも、国産のは色ガラスに見えちゃうのに対し、こっちは色の付いた石英の原石を削り取ったようなムード。
なんて書くと「この外国かぶれが」とか「イタリアってだけで良く見えるだけだろ」などと言われてしまう気もしますが、こちらはこれまでの人生において、さんざんポンコツのイタリア車で煮え湯を飲まされ続けてきたわけで、って、なんの話だ?
とはいえ、これでコスメティックな部分については大体選択完了。最後の大物、床暖房に向かいます。
次回「愛と欲望の設備選び(床暖房編)」につづく