ぼくらが程々の家を建てる理由(その6)
BESSとかいうログハウスメーカーを発見した前回。さっそく代官山にあるとかいうモデルハウスに一家3人で足を運ぶことになったというのが前回のあらすじでございます。
お目当てはもちろんジャパネスクハウス「程々の家」。ジャパネスクというと自動的に氷室冴子先生の「なんて素敵にジャパネスク」を想像してしまうため、そんな平安チックなお家だったらどうしよう(けっこう嬉しい)などと思いながら代官山に向かったわけですが、残念ながらそんな心配は杞憂に終わりました。
えー、ご覧の通りの外観でございます。説明によると、厳密には仕様が変わってて違う形になっているとのことなのですが、基本的にはコレがそのまま建つとのこと。しかもこのまま建てた時のお値段も書いてあります。
中に入るとこんな感じ。ご覧いただいているあなたの画面が壊れているのではなく、リアルに家の中が真っ暗なのです。小中高の12年間を通してムッツリスケベという評価を頂戴していた私にはピッタリの薄暗さなのであります。
中はぜんぶ生の木で、これまでのハウスメーカーから見れば材質という点では素人目にも安っぽいのは分かるのですが、別に材質にこだわりたいわけじゃないし、何よりもデザイン的にそういう安っぽさを味に見せるのが大変うまく、個人的にはむしろ好みの部類に入ります。
他にも、代官山にあったモデルハウスは基本的に2部屋しかないとか、ていうか2階が部屋というよりロフトだとか、つまり一家3人暮らすのにものすごく向いてないんじゃないかとか、つまり間取りが気に入らないとか、あと何よりも途中で入ってきたご家族のクソガキが「こんな家に誰が住むのー?(純粋)」などと、真剣に検討する私たちを前に叫び、慌てて外に連れ出されるとかの問題はあったものの、クソガキの意見に左右されるほどアイデンティティが薄弱でもありません。
まあ、つまり、端的に言って気に入ったのですね。
私「どうでしょう?」
妻「いいんじゃない?」
私「マジで?」
妻「これならあの土地に建ってても浮かないし」
私「ふむ」
妻「新築っぽく見えないし」
私「ふむ」
妻「値段もはっきりしてるし」
私「ふむ」
妻「内装もこのまんまなんやろ?」
私「たぶん」
妻「だったら悩む必要もなくてよかやっか」
と、まあ、このようにあっさりと建物。つまり、私たちの土地に程々の家が建つことが決まったわけであります。
時は2016年2月のことでございました。
次回「BESSと程々の家の程々な関係(その1)」につづく