ぼくらが程々の家を建てる理由(その5)
前回の記事で「見た目やら細かいことで悩みたくない」とか「モデルハウスと同じのが建てばいいのに」とか、挙句の果てに「欲しいモデルハウスがない」などと贅沢を言っていた私たち一家。まあ、それにはちょっとした訳がございます。
まず、私たちが家を建てることに決めたのは千葉県の片田舎。ていうか、見た目は片田舎というのもはばかられるような場所でございます。
イメージがこちらで
実際がこちら
このような場所ですので、お近くに建っていらっしゃるお宅というのもそれなりの感じ。いくら自分らのお金で(正確には銀行のお金で)土地を買ったとはいえ、ガチで新参者の私たち一家が「うーん、ここにフレンチシックでシャビーで男前で北欧風のシンプルモダンな白くて黒いおうちを建てるの♡」などという自分勝手が許されるとも思えません。
とはいえ、今さら純日本家屋を建てたいとも思えませんし、そもそもいくら掛かるんじゃって話でもありますし、でもじゃあココにぴったりハマるような家でと言っていくつかのハウスメーカーに落書きを書いてもらいましたが、当たり前ですが素人目にはどれもコレもピンと来ません。
思い余って建築家さんなんかにもアポを取ってプランを出していただき、これはさすがに結構刺さったりもしましたが、残念ながら納期がいつになるか分からないという高い高いハードルがあったりしたので断念。うーん、なんとかならんもんか。
と、そんなある日、ウェブをさまよってたらこんな広告を見つけました。
曰く
「住む」より「楽しむ」
「家は、楽しい暮らしの道具」
「手間がかかる。でも、そこがいい」
「無駄なスペースが遊びを生む」
「外とつながった暮らし。季節を感じる暮らし」
「帰りたくなる家。それ以上に、出かけたくなる家」
「家族と一緒に年を重ねる家」
などなど。
このBESSとかいうハウスメーカーのコピーたち。正直クサいわけですが、「あこがれ」とか「堂々」とか「性能」とかそういった言葉に辟易としてきつつあった私たちにとって、結構刺さるフレーズでもありました。そしてなにより、こんなキャッチフレーズにほぼ合致する土地を買ってしまっていたわけで、こうなると今度は自分がクサい気がしてきてしょうがありません。
まあでも、ログハウスのメーカーだしなあログはさすがに無いなあ木こりじゃないんだからなどと思いつつサイトを見てみると、こんどはこんな商品を見つけてしまうのです。
あくまでウェブを見た限りの印象ですが、日本建築でも最近の建物でもない、まさにジャパネスクというフレーズがぴったりのムード。「程々の家」というネーミングは正直いかがなものかと思いましたが、まあ別にそんなのBESSが勝手に言ってるだけだし、うーん、なんというか、いいかも。
というわけで、代官山にあるとかいうモデルハウスに足を運ぶこととなったのであります。
次回「ぼくらが程々の家を建てる理由(その6)」につづく