愛と欲望の設備選び(序章・その1)
前回まででひととおりの間取りが決まった程々の家。なによりも500万円も安い七草で納得いく間取りがつくれた(本当に納得行くかどうかは知らん)のは非常に喜ばしいことでございました。しかし、そのことが私たち一家3人に思わぬ事態をもたらすことになります。
私「いやあ、安く済んでよかったよかった」
妻「家も500万円安かったし」
私「階段も普通の階段を改造するだけだから25万円くらいで済みそうだし」
妻「らせん階段にくらべれば75万円も浮いたってことやね」
私「これはつまり600万円の宝くじが当たったようなもんですなあっはっは」
妻「いや素晴らしい素晴らしいあっはっは」
そう、家が小さくて済んだことで(オマケに土地も安かった)私たち夫婦は完全に気が大きくなっていたのであります。
私「これであのキッチンも手が届くでやんす」
妻「これであのお風呂も手が届くでやんす」
私「あのお風呂って?」
妻「あのキッチンって?」
私「……」
妻「……」
私&妻「せーの」
私「肩湯wwwwwwww」
妻「馬wwwwwwwww」
私「いや馬は関係ないwwwwwww」
妻「ていうか何ねこのキッチン」
私「トーヨーキッチン」
私「ていうか君こそ何だこのお風呂」
妻「スパージュ」
私「た、高そうだね」
妻「き、君もやっか」
私「なぜこれを?」
妻「どっかのモデルルームで見たけんが素敵やったねえ」
妻「肩湯とか」
妻「打たせ湯とか」
妻「オーバーヘッドシャワーとか」
妻「ユニットバスなのにタイルとか素敵やねえ」
私「(いくらするんだろうコレ)」
妻「それより」
私「はい」
妻「君こそ何このキッチン」
私「どっかのモデルルームで見たんだけどカッコよかったなあ」
私「3Dシンクとか」
私「フロントオープンの食洗機とか」
私「ビルトインのオーブンとか」
私「なんか知らないけど浮いてるトコとかもカッコいいねえ」
妻「(いくらするんだろうコレ)」
このように、すっかり成金状態になったお互いのどす黒い姿を目の当たりにし、内心戦々恐々とする私たち夫婦。お金というのは人をここまで変えてしまうのでしょうか。
というか、ご参考までに申し上げますと我が家の場合、家にいる時間が長いのが私のため、キッチンはどちらかと言うと私の管轄。でもって、肩こりがひどいのが妻のため、お風呂はどちらかと言うと妻の管轄になっております。さらに念のために申し上げますと、決して主夫ではございませんので、何卒よろしくお願い申し上げます。
ということで、それぞれ自らが管轄する予算について、はなはだヤバそうな概算要求を行いそうな事態となり、そこはかとない不安は感じているワケではございますが、つまりこれはお互いの管轄を重視した愛ゆえの行動とご理解いただきたい所存でございます。まあ平気だろ600万も浮いてるんだしはははは。というわけで、引き続き設備を選んでいきましょう。
次回「愛と欲望の設備選び(序章・その2)」につづく