施主検査で悲しい思いをする話(その1)
いちおう入居前WEB内覧会までこぎつけることができた私たち一家3人の程々の家。意外とそこまでの道のりがストレスフルというか面倒くさかったのですが、今日からはちょびっとそのへんのお話を。基本的に暗い話なのですが、それでは面白くないので吾妻ひでお先生をリスペクトし、全体的にリアリズムを排除してお届けいたします。
えー、おもいきり最初に戻りまして、私たちが程々の家を建てることに決めたのは去年の3月のことでございました。
決め手となった理由はもちろんいくつかありますが、建物が気に入ったということ以外に、なるべく早く引っ越したいという希望がございました。なぜかというとこんな感じ。
① 家賃とローンの二重負担をちょっとでも減らしたい
② 6月に子供が産まれるのでなるべく新しい環境で育てたい
③ 妻が育休に入るので翌年度になるとローンを組める金額が減ってしまう
まず①は誰もが同じ話だとは思いますが、私たちの場合は仮住まいが千葉と横浜の2か所に分散しておりまして、月々の家賃負担がどえらい話になっております。ので、ちょっとでも早く引っ越さないとなかなかにしんどかったり。
次の②については、これはお子さんがいらっしゃる方ならなんとなくお分かりいただけるかと。病院とか途中で動くのはめんどくさいですし、生活のリズムとかも早めにつくりたいですし、まあ、普通の希望かと思います。
で、最後の③。これは私たち特有の事情かと思うのですが、私の職業は泣く子も黙る法人設立2年目の自営業。でもって、妻の職業が泣く子も黙る勤続長い公務員。というわけで、どちらがローンを組んだほうがおトクかというのは言うまでもありません。
んが、その頼りの妻が育休に入ってしまうことが決定的なわけでして、そうすると収入が自動的に下がり、そうするとローンを組める金額も減ってしまうのです。きゃー、たいへん!
って、フツーに考えれば3月に契約して翌年度中に家が建つなんてごくごく当たり前の話ではあるのですが、ちょっとやらかしたことに私たちの土地はご覧の通りの立地。つまり、泣く子も黙る市街化調整区域なのであります。
とはいってもなんかよくわらない特例区域とかで、つまりもちろん家は建てられるものの、なんだかんだで許可を取るのに3ヶ月ほどかかるとのこと。ってことは実質9ヶ月。イロイロ余裕を見ると、実際の建築に掛かる時間は短いに越したことはありません。
と、まあ、そのような理由で「まあ1年は見といた方がいいですねえ」という建築家さんをあきらめ、「ウチはキットだから早いですよー」というBESSのお家を選択したという流れがございます。着工から3ヶ月半で完成するとのことで、引渡予定日は余裕を見て11月末。うん、これなら楽勝。
そして話は1年後。2017年3月上旬のある日。
銀「やべえよやべえよ!」
妻「やべえよやべえよ!」
私「やべえよやべえよ!」
子「たいやいやいやいやーい!」
銀行さんがやべえよやべえよ言ってるのはともかく、いや、全然ともかくじゃないんだけど、すでに息子まで喋りだしかねない勢いにもかかわらず、まだお家は出来上がりません。というわけで、BESS東葛さんに電話電話。
私「まだですか」
B「まだです」
私「困ります」
B「じゃあ書類上だけでも完成したことに」
なにそれそんなコト可能なの? ということで銀行に電話電話。
私「てなことを言われたのですが」
銀「登記のための写真て撮れる?」
私「どういう?」
銀「内装できててキッチン風呂トイレついてればOK」
私「壁紙キッチントイレいずれもまだで風呂だけあります」
銀「とりあえず家屋調査士さん派遣します」
というわけで登記を行うための写真を撮るべく、家屋調査士さんをお待ちします。
私「おいでませ」
調「……(パシャ)」
私「キッチンはまだです」
調「……(パシャ)」
私「トイレもまだです」
調「……(パシャ)」
私「風呂はコレですが電気がつきません」
調「……(パシャ)」
私「壁紙はもちろんまだです」
調「……(パシャ)」
私「いかがですか?」
調「……」
家屋調査士さんの様子に果てしなく不安を感じたので、もういちど銀行に電話電話。
銀「ダメっぽいwwwwwwww」
私「困りますwwwwwwwww」
銀「こっちもwwwwwwwww」
私「どうしようwwwwwwww」
銀「BESS東葛に3月23日引渡し厳守って伝えといてwww」
私「え、私がwww」
銀「俺が言っても11月から『大丈夫大丈夫』しか言わないもんwww」
底抜けに不安な気分になりながら、今度はBESS東葛さんに電話電話。
私「ということでよろしく」
B「無理」
私「困ります」
B「ていうかそれ銀行の勝手な都合ですよね?(本当に言った)」
私「……」
B「登記がダメなのも銀行が寄越した家屋調査士の都合ですよね?(本当の本当に言った)」
私「……」
詳しくは割愛いたしますが、私の粘り強い説得により、どうにかこうにか3月23日に施主検査を行い、そこで引き渡すというスケジュールを理解していただくことに成功。その旨を銀行さんにお伝えし、限りなく枕を低くしてその日を待ちます。
妻「ちょっとちょっと」
私「はい」
妻「施主検査と引渡しが同時って」
私「はい」
妻「検査の結果がダメだったらどがんすっと?」
私「えっ?」
そんなこんなで、たいへんに緊迫しながらXデーを迎えます。ドキドキ。
次回「施主検査で悲しい思いをする話(その2)」につづく