愛と欲望の設備選び(キッチン編・その3)
前回は程々の家に導入するトーヨーキッチンのサイズやら仕様やら機器類を決めた私たち一家3人。早くも程々じゃない家になってきた気がいたしますが、まあ気にしない気にしない。
さて、もういっぺん間取り図に戻りますが、このキッチン、後方にパントリーという名の冷蔵庫と洗濯機とカウンターと棚と、とにかくイロイロ詰め込むスペースがございます。
で、このスペース、最初はこんなふうなレイアウトでございまして。
こんな感じのレンジ台を冷蔵庫に並べて置くつもりでございました。幅は75cmまで取れるので、今使ってる石窯ドームもキチンと置けるハズ。が、イロイロ考えていくと以下のような問題が発生する恐れが出てまいりました。
・収納スペースが足りない気がする
・玄関入ってすぐコレが見えるのはいかがなものかという気がする
・後ろ側にもカウンターがあったほうがいい気がする
というわけで、パントリーの中の壁をコストダウンも兼ねてぶち抜き、幅165cmのレンジ台というかカップボードというかカウンターを壁沿いにどーんとくっつけることに。
イメージとしてはこんな感じ。上にレンジと炊飯器とトースターとをズラッと並べても幅的には余裕のよっちゃん。収納力が足りなければ吊り戸棚も付けられるし、空いたスペースで作業も可能。よし、コレでいこう。
妻「ちょっと待った」
私「?」
妻「コレだと家電まで遠くない?」
私「あ、たしかに」
妻「格子戸は開けとくとして、このプランはいかんばい」
私「は、はい」
ということで、もうちょっと考えます。つまりクルッと振り向いただけで家電にアクセスできればいい話なので、じゃあこういうのはどうだろう?
一般的なカウンターの奥行きからもうちょっと大きくして、たとえば60cmとかにしてしまえば、家電をキッチンに向けて配置できます。おまけにワークスペースも拡大するので、お皿を並べるトコからちょっとしたパソコンでのお仕事から、果てには洗濯物を畳むとこまで兼ねられる万能収納台の完成です。やったぜ。
妻「なんか浮いとるばい」
私「あ、レンジ」
妻「どがんすっと?」
私「カウンターの下段に入れるっていうのは?」
妻「ああ、なるほど」
私「まあ既製品は売ってないだろうけど」
妻「あ」
私「?」
妻「ゴミ箱は?」
私「うっ」
確かに上の参考写真のようなカタチにするとなると、ゴミ箱までが遠いという問題は解決されません。ある意味レンジが遠いより問題であります。
私「じゃあ、レンジのとこにゴミ箱を……」
妻「レンジは?」
私「……」
妻「やりなおし」
私「いや……」
妻「?」
私「腹案があります」
妻「また!?」
私「邪魔っけなレンジはコンロ下に入れてしまえ攻撃です」
妻「そがんことできると?」
私「できるできる!」
妻「だったら最初から言いんしゃい」
私「えっ!?」
妻のありえないほど軽い返し。
そして私は気づいた。
何に?
妻が「レンジをビルトインする」という意味を分かっていないことに。
妻の認識(想像)
私「…」
私「……」
私「………」
私「チャーンス!(心の叫び)」
これはつまり合法的にビルトインオーブンを導入できるまたとないチャンス。というわけで、妻が世の中の仕組みに気づかないうちにコトを進めます。
私「いいんですか!?」
妻「それしか方法がないならしょうがなかっちゃなか?」
私「じゃあちょっとトーヨーキッチンに行ってきます!」
妻「?」
キチンと言質も取ったトコロで頭のなかにベイスターズのチャンステーマ0を鳴り響かせながら一路トーヨーキッチンに。というわけで、コンロ下に入れられるビルトインのレンジくださーい!
でもって、とりあえず今回のレンジに求める条件をざっくり伝えてオススメを教えていただきます。リクエストは以下の通り。
・電子レンジ機能付きオーブン
・できるだけ天地の高さが薄いもの
・でも容量は大きいもの
上はまあ分かるとして、下はどういうことかをちょっと説明。基本的にトーヨーキッチンの場合、コンロ下は2段の引き出しになります。で、レンジをビルトインした場合、上段の引き出しが潰れるのはもちろんのこと、下段の引き出し高さもレンジの厚みにしたがって低くなるとのこと。
コンロ下の引き出しには普段使ってる鍋を収納したいのですが、その中で一番背の高いパスタポットが入らなくなってしまうのはちょっと困る。ということで、下段の引き出し高さをある程度確保できる機種を探してもらいます。
T「で、大変申し上げにくいのですが」
私「え、ないんすか!」
T「いや、あるにはあるのですが」
私「?」
T「現在オススメできるのが1機種しかありません」
KM8100001M 60Hz | コンパクトオーブン | AEG | Products | Cooking
私「あらま」
T「ちょっと前ならミーレでもあったんですが、複合機はなくなっちゃって」
基本的にこういったビルトイン系のキカイは、広大なキッチンスペースをほしいままにする人民の敵、もとい、お金持ち向けに作られてるようで、あらゆるものをひとつにまとめないと家が成り立たない私たち一家3人が欲するようなラインナップにはイマイチ注力していないムード。くそう。
まあ、とはいえ必要とする機能は全部備わってるみたいだし、今使ってる東芝の石窯ドーム(30L)に比べて容量も39Lと増えるし、上に乗っかるIHコンロとメーカーもお揃いになるし、何よりこないだまであったというミーレに比べて安いそうなので、特に文句はありません。
T「あ、あともうひとつ」
私「は?」
T「レンジフードってどうしましょう?」
私「え、あれって選べるんですか?(無知)」
T「ペニンシュラタイプだと、基本的にこの「フラット」をオススメしてるんですが」
フラット ペニンシュラタイプ【幅90cm】 | SHOP TOYO KITCHEN
私「あ、これでいいです(あんまり興味ない)」
T「おありがとうございます」
えー、ほかにもいろんなレンジフードがあるというのを知ったのはだいぶ大人になってからだったのですが、実物を見たらカッコいいし、機能もそれなりだし、お掃除もそれなりに楽そうだし、フツーのキッチンメーカーのに比べたらそりゃちょっとは違うだろうけど、そんなに大差ないって店員も言ってたし、それは間違いないと思う。
最新のレンジフード使ったことないから知らないけど、メーカーでそんなに変わったらアホくさくて誰もトーヨーキッチンなんて買わないでしょ。個人的にはこのレンジフードで十分。
嘘かと思われるかも知れないけど今のマンションについてる20年前のタカラスタンダードのレンジフードより静かだしカッコも良かった。つまりはタカラスタンダードですらトーヨーキッチンには勝てないと言うわけで、それだけでも個人的には大満足です。
さあ、これでキッチンについてはホントのほんとに検討終了。次なる敵はお風呂です。って敵なのか?
次回「愛と欲望の設備選び(お風呂編・その1)」につづく