アンチ程々の家宣言 〜BESSの家で程々じゃないジャパネスク生活〜

BESSがプロデュースするジャパネスクハウス「程々の家」を、ぜんぜん程々じゃなく暮らす様をご紹介いたします。

施主が本当に建てたかった家(その3)

なんだかものすごく夢も希望もない話になってきてる気がいたしますが、書きかけてしまったのでまとまるまで続けさせていただく所存のこの話題。これまでは一般論でしたが、今回はじゃあオメエん家はどうだったんだよコノヤロウというお話でございます。

 

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というわけで、例のイラストを我が家のパターンに若干改変してみました。まずはこちらをご覧ください。

 

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【施主が説明した要件】

私「こんな感じでいいかしら?」

妻「ヒモが1本ぶら下がってるだけばい」

私「まあでも、ヒモの長さとかぶら下げる場所とかは指示しないとだからねえ」

妻「そこまでのワガママってわけでもなかね」

 

私たち一家3人が建てた程々の家。これは何度か説明いたしましたが、俗に言う企画住宅といわれるもので、基本的な色やら仕上げやら材質やらはすでに決まっております。それを木そのものとするなら、私たちが選べるのはそこに何をぶら下げるかということくらい。ので、フツーの注文住宅に比べれば要件というほどの要件は特に伝えておりません。うん、そのはず。

 

【営業の表現・約束】

妻「モザイクのかかっとるよ」

私「そもそもむこうが何を伝えたいのかがさっぱりでしたなあ」

妻「薪ストーブだけは最後まで勧められたの覚えとるけど」

私「なんかこう標準プランそのまま建てろよ的な圧力はひしひしと感じましたなあ」

 

私たちがリクエストしたのは基本的に間取りのアレンジのみ。それも、細かく区切るのではなく、逆にほぼがらんどうにしたいというものでございました。が、その意図を理解していただくのにとてつもない手間と時間がかかった上、結局伝わらないという悲しい事態に。途中からはほぼ何がしたいのかわからない客という扱いを受けていた気がしなくもなくもない。

 

【設計の理解】

妻「これもぼんやりしとるけどヒモが短かのはわかるばい」

私「意図を伝えたつもりが半分もつたわっていないという比喩であります」

妻「君が図面描いとったもんねえ」

私「だって図面でくださいっていわれるから」

 

設計さんはこれまで基本的には建売住宅の設計をメインにしていたっぽく、リクエストを反映させていくというよりは、いかに基本の図面からずらさないかという点をメインに考えていらした模様。なまじっか図面らしきものを描けるというのがバレたあとは、なんでか知りませんがディティールについてはこちらが用意するという流れがデフォルトに。で、それがイマイチ反映されないの。ははは。

 

【実際の設計図】

私「というわけで、出てきた図面に赤を入れまくって」

妻「で、ようやくなんとなくクリアにはなった、と」

私「実物に反映されるか果てしなく不安だった気持ちはヒモの太さで表現しました」

妻「ビミョーな気持ちを端的に表しとるばい」

 

こちらに図面を書かせたくせに、なぜかそれが反映されないとか反映されるまでにものすごーく時間がかかるとか、あとから「無理でした」って言われるとかいう事態が発生しました。が、それはともかく、こちらとしていちばん悲しいというかなんというかだったのは、プロならではの視点で突っ込まれたりアイデアを足されたりという作業がなかったこと。むう。

 

【大工さんによる施工】

妻「それでもちゃんとなったのは大工さんのおかげばい」

私「ちょっとお話ししただけですぐにこっちの意図を汲んでくれました」

妻「設計いらんやっか」

私「BESS東葛さんとの打ち合わせに費やした時間は一体何だったのかと」

 

イラストのように我が家の場合、こちらの意図したとおりの建物を無事に建てていただいたのは、ひとえに大工さんの力量によるものでございました。単に言われたまま施工するのではなく、キチンと考えた上で使いやすい作りにしてくれたり、見た目がいい収まりにしてくれたりと、ここに来てはじめてプロの仕事を見せていただいた感じがいたしました。

 

【現場監督の施工管理】

妻「更地になったばい」

私「雲ひとつない青空ですなあ」

妻「どういうことなの?」

私「えー、百聞は一見にしかずといいますので、こちらをご覧ください」

 

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妻「写真のなかよ」

私「でもその下に現場は図面通り施工しておりますって書いてあるから(震え声)」

妻「それで済むならこんな書類いらんばい」

私「おっしゃる通りでございます」

妻「ていうかコレで会社的はオッケーなん?」

私「えー、百聞は一見にしかずといいますので、こちらをご覧ください」

 

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妻「ぜんぶ現場監督が押しとるばい」

私「き、木村なんて名字珍しくもなんともないから!(震え声)」

妻「ハンコの種類どころか角度もおんなじやっか」

私「ハンコの種類も角度も社内の規則で決められてるかもしれないでしょ!(白目)」

 

えーと、まあ、ここはノーコメントで。

 

【引き渡された建物】

妻「あの施主検査を思い出すばい」

私「自分の寿命を縮めるようなマネはやめるんだ」

妻「建物もアレやったけんがまわりがひどかったねえ」

私「引渡して1ヶ月くらい工事中の看板立てっぱなしだったしねえ」

 

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私たちの敷地、最初はフツーの空き地だったのが、なぜか引渡し時には建物の周りが沼になってて、おまけに土地のど真ん中にドアと残材が捨ててあり、一見現代美術かと思うようなシュールさ。なんとかしてと言ってもノラリクラリしてたのですが、結局市の開発担当部署から怒られたらしく、引渡し前日の雨の日に、第一次世界大戦の西部戦線で塹壕掘ってる兵隊さんみたいに泥まみれになって帳尻を合わせておりました。合ってねーよ。

 

【請求書の金額】

妻「ここに3段ブランコが来るわけやね」

私「二重請求、三重請求の嵐を端的に表しました」

妻「なして見積もりも請求もあがんガバガバなんやろか」

私「まるでお金のこと以外がガバガバじゃないみたいな言い方はNG」

 

ここも基本的にはノーコメントですが、言うことはキッチリ言ったほうがいいとは思います、はい。

 

【引き渡し後のサポート】

妻「不安ばい」

私「まあ、自分でやるからいいよ」

妻「おねがいします」

私「こちらこそです」

 

3度目のノーコメント。こちらは最初から期待していないので、やってくれたらラッキーくらいの軽い気持ちであります。

 

えー、最後に残った「施主が本当に建てたかった家」は、長くなったのでまた明日。

 

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次回「施主が本当に建てたかった家(その4)」につづく

 

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