陸上護衛戦(その2)
引越しからたった2ヶ月でモグラとの戦いを余儀なくされることになった私たち一家3人。とりあえずの手段としてホームセンターで買ってきたモグレスが何の役にも立たないため、もうちょっとマジメにいろいろ考えます。
私「いろいろウェブを検索してみたのですが」
妻「いろいろ凄かね」
私「人間はモグラをあそこまで憎めるのですなあ」
妻「どんな目にあえばあがんことになるやろか」
ちょっと検索していただければ分かるかと思いますが、ありとあらゆるモグラ殺しの方法がウェブには溢れかえっており、オマケにそのどれもが決定打に欠けるという意味のわからなさ。この科学万能の時代にモグラ1匹確実に殺せないとは、人類の進化はいったいどういう順番になっているのでしょうか。
そんなしょうもない嘆き方をしていても仕方がないので、ひきつづきウェブの情報の中から出来ることをやっていきます。
【チューインガム】
こちらこれっぽっちも意味がわからないと思いますが、どうやらモグラはチューインガムを体内で消化することができず、そいつを食べさせればお腹が詰まって死んでしまうという情報を入手。おお、これならカンタン。
さっそくクルマの中にあったリカルデントをモグラ塚を掘った中に隠します。
こちらは雨水マス。どうにもモグラの侵入経路がわからず、いまいちモグラ塚ができる間隔が広いような気がしたので、ひょっとしてこの中を通ってたりするのでは的な疑念を抱くにあたり、こちらにもガムを仕掛けます。
このチューインガム作戦は、言ってみれば機雷を仕掛けるようなもの。前回のモグレスと違い、今回は食べに来てもらわなければ意味がありません。ので、ガムを埋めた場所には棒を刺しといて、引っかかったかどうかを確認いたします。で、翌日。
私「おお、棒の横にモグラ塚ができてるでやんす」
妻「掘って掘って」
私「おお、ガムもなくなってるでやんす」
妻「よっしゃよっしゃ」
どうやら仕掛けたガムは無事にモグラのお腹におさまった模様。オマケに雨水マスの中には現れてないということも分かったので、あとはお腹の爆弾が効くのを待つだけ。数日は新しいモグラ塚ができるのも寛大な気持ちで許せてしまいます。で、1週間後。
私「……」
妻「まだ新しいのができとるばい」
私「リカルデントじゃダメだったか」
妻「なんかもうちょっと調べたらブルーベリー味のフーセンガムがいちばん効くらしか」
私「なにそのオカルトこわい」
などと言いながらいそいそとフーセンの実ガムを買ってきて。
続々とでき続けるモグラ塚の中に転がします。で、1週間後。
私「……」
妻「……」
私「効きませんなあ」
妻「ガムは全部なくなってるのに」
私「これじゃ機雷というか」
妻「単にドロボーに追い銭やったね」
モグレスとチューインガム両作戦を実行している2週間、庭の東側はかなりのボコボコっぷり。まさにモグラ叩きとはこのことかと実感しながらの生活で、私たちの怒りゲージもかなりのうなぎ上りっぷり。ウェブ上に満ち溢れている怨嗟の声がかなり理解できるレベルであります。
私「こっちが下手に出てれば調子にのりおって」
妻「態度次第では穏便に済まそうと思ってたけんが」
私「もはや殺るしかありませんな」
妻「そうですな」
私「あ」
妻「きさんこの期に及んでヘタれるとね?」
私「いや」
妻「じゃあなんね」
私「コレって共謀罪とかになるんですかね」
妻「まあモグラに対するテロ計画には間違いなかね(断言)」
えーと、たぶん大丈夫とは思いますが、仮に全日本モグラ党とかが政権を取った場合、この記事にイイねとか押してると後々共犯扱いされる可能性があるので、いちおう気をつけといてください。どうぞよろしく。
次回「陸上護衛戦(その3)」につづく