第一次外構大戦(その3)
開戦、もとい、引渡しから1ヶ月経過した5月下旬の時点において、ツツジ、シマトネリコ、ブルーパシフィックで外郭陣地を構築した私たち一家3人の程々の家。これをもって本土防衛を旨とした第一段作戦は完了し、いよいよ攻勢に転じることとなりました。
軍参謀(私)「ここで攻勢作戦についてご説明いたします」
司令官(妻)「うむ」
私「現在季節の進行により、我々固有の領土が雑草に侵食されつつあります」
妻「うむ」
私「これまで最低限の範囲を除草してまいりましたが、この範囲を大幅に拡大し」
妻「うむ」
私「我が勢力圏、もとい、登記上の土地すべての雑草を駆逐することを目的といたします」
妻「作戦内容は?」
私「これまで実験的に行っていた除草を一歩進め、根本的な対策を講じます」
妻「具体的には?」
私「除草剤や草刈りなどに頼らず、表土ごとすき取って文字通りの根絶を狙います」
妻「期間は」
私「面積が約400㎡、1回約20㎡の作業として20回、約1ヶ月を見込んでおります」
妻「よろしい、それでは参謀は前線に赴き、戦術指導に当たれ」
私「はっ」
このようにして発動した第二弾作戦。めんどくさいからフツーの文体に戻しますが、まあコトがそううまく運ぶわけもなく、オマケに毎日晴れてて暑いので、上手い方法を考えるという名目でなかなか取り掛からず、妻が友人の結婚式に出席するとかで実家に帰省するのをキッカケに、ようやく重い腰を上げるのであります。で、2週間後。
妻「ただいまー」
私「おかえりー」
妻「お、広縁の前の雑草がなくなっとるばい」
私「そうですね」
妻「って」
妻「これはなんね」
私「山であります」
妻「鳥取砂丘かと思ったばい」
私「全景はこのようになります」
妻「もう1個ポタジェ作れるやっか」
私「そうですね」
妻「言ってくれたらお土産買ってきたのに」
私「え?」
妻「またあのイケメンのおじいさんにもらったとやろ?」
私「いや」
妻「じゃ向かいのおじいさん?」
私「いえいえ」
妻「じゃあどっからもらってきたと?」
私「いや、もらったというか」
妻「?」
私「えーと、まず三角ホーで土を雑草の根っこごと掘り返します」
妻「はあ」
私「掘り返した分は両側に土手みたいに盛ってって」
妻「はあ」
私「で、このふるいで土手を砂利と土に分けていきます」
妻「はあ」
私「ふるいに残った砂利や雑草、ゴミなんかはいったん洗車バケツにまとめて」
妻「はあ」
私「で、奥に見える山まで持ってって」
妻「はあ」
私「この山に捨てます」
妻「はあ」
私「こうして2週間でこのくらいの面積を荒れ地から土の表面にいたしました」
妻「はあ」
私「ごらんのように表土を10cmくらいすき取っているので、かなりの雑草を抑制できますが」
妻「はあ」
私「やはり最初の方に作業した場所は新しい芽がでてきているので」
妻「はあ」
私「その芽を抜きつつの作業となります」
妻「はあ」
私「ちなみにこちらが現在の戦況図です」
妻「はあ」
私「で、この作業を続けていって、ある程度まで来たらふるった土をキレイに均して」
妻「はあ」
私「その上からさらに客土を被せて」
妻「はあ」
私「でもってその上にクラピアを植えます」
妻「はあ」
私「こうすれば砂利のないフカフカな土に緑のじゅうたんが」
私たちの土地、その昔は田んぼだったところを30年ほど前に建設残土で埋め立てた場所らしく、土には大量の砂利やら何やらが混じっております。ので、掘るのに固く、大昔のリポビタンDの破片とかも出てきてしまい、そのまま上に芝生なりクラピアなりを植えるにはちょっと抵抗が。
上にそのまま土を被せてしまえば問題ないワケですが、とはいえそのままではまわりの土地のほうが家より高くなってしまい、なんか家のまわりがジメジメしそう。
というわけで、いったん表面を全部こそげ取ってクリーニングして、砂利やらゴミやらを分離すれば土地のレベルがちょっと下がり、客土をしても元のレベルで済むどころか客度の量も少なくて済み、オマケに出た砂利で庭に素敵な築山を作れるという、一石三鳥の作戦であります。
妻「ちょっといい?」
私「はい」
妻「つまりこの山は」
私「はい」
妻「全部この小っちゃいふるいで作ったと?」
私「はい」
妻「でもってこっちの山は」
私「はい」
妻「全部この洗車バケツでつくったと?」
私「はい」
妻「てことはさ」
私「はい」
妻「これ全部人力なん?」
私「もちろんそうですよ?」
妻「おかしくない?」
私「やっぱり?」
妻「うん」
私「でもやってみると2週間じゃこのくらいが限界なんですよ」
妻「いや進み方とかじゃなくてアタマが」
私「えっ?」
言われて計算してみると、これまでの面積をだいたい10cmくらいすき取っているので、容量にして約6.6立米。土砂の比重が1〜1,5らしいので、間を取って1.25として8.25トン。
妻「でもって、重さの1/3が砂利だったとして」
私「はあ」
妻「でもって、バケツが1杯5kgとして」
私「はあ」
妻「バケツ550杯の砂利捨て場まで往復50mだから合計27.5km」
私「あー、道理で」
妻「?」
私「いや、ちょっとはずかしいんですが」
妻「どしたの?」
私「38歳にして腹筋割れたwwwwwwwwwww」
妻「ていうかウエストほっそwwwwwwwwwwww」
私「ほら、脚も脚もwwwwwwwww」
妻「マジかwwwwwwwwwwwww」
私「……」
妻「……」
私「……」
妻「明日から私もやるけんね」
私「えっ!?」
次回「陸上護衛戦(その1)」につづく