薄暗い家をつくる方法(その1)
長かった設備選びも終わり、あとはいよいよおっ建つのを待つだけとなった私たち一家3人の程々の家。と思いきや、まだまだ決めなくてはならないコトがあったりします。というわけで、新シリーズ「窓のお話」のスタートです。
さてさて、以前の間取りバトルで巨大なワンルーム+ロフトという構成になった程々の家・七草。もういちど間取りをおさらいしておきます。
以前からご覧いただいている方は、ひょっとすると「アレ?」なんて思われるかもしれませんが、このプラン。上の間取りバトル時と比べて左右が反転しております。その原因となったのが、ここでご紹介する窓問題でございました。
何度かお伝えしているように、この程々の家が建つ土地というのが完全に大草原の小さな家状態の土地。図にするとこんな感じになります。
それぞれの接道を挟んだ向こう側はどうなってるかといいますと、北側は空き家を挟んでこんもりとした山。で、南側はというとこんな感じの風景が広がっております。
えーと、コレ、つまり何がいいたいのかといいますと、家を隠してくれるモノが何もないのであります。フツーだったら隣に家が建ってたり壁が建ってたりと、何らか家を隠してくれるものがあるので、安心して窓を開けられる方角があるわけでございます。
もちろん、他所からの視線は気になるけどどうしてもココに窓を開けたいと考えた場合、たとえば敷地の境界に壁を作って視線を遮って、でもって内側を庭にしてなんてコトを考えるわけですが、この土地の場合はご近所様が当然のように敷地内に立ち入ってくるという、ある意味著作権フリー住所なわけであります。
21世紀の日本において、通常であればフツーに通報事案なわけですが、あくまで私たち一家3人は後から入ってきて住まわせていただく身。文字通り郷に入らば郷に従えという教えを体現する覚悟なのであります。というか、それ以前に塀を作るとなると、このような問題が発生するのであります。
ちっちゃいwwwwwwwwwwww
と、まあ、このように建ぺい率で言うと8%ほどしかないという、いくら七草とは言えどもなぜこんな土地買ったんだアホがというサイズ感でして、つまり塀を建てようなんて考えたらお金がいくらあっても足りない問題が存在するのであります。
自分でもあまりの意味のわからなさに、口調が軍隊ことばになってしまっておりますが、つまり事ここに至って、少なくとも建物単体で最低限のプライバシーを確保する必要が発生したわけでございます。
建物のプライバシーを確保するための手段として、いちばん効果的なのが土地に対しての建物の配置と、それを前提に窓の配置を考えること。というわけで、プライバシーを確保するための要件と、建物の配置と窓に対するリクエストをいくつかまとめてみました。
① 窓からは覗かれるものとして考える
② 少なくとも広縁からは人が入ってくるものとして考える
③ カーテンは付けたら最後、二度と開けない気がするからあんまり付けたくない
④ そもそも広縁に出る掃き出し窓は格子戸がついてるからカーテン付かない
⑤ 最低限の風が抜ければ、窓は少なくてかまわない
⑥ 広縁に出る掃き出し窓は景色のいい方向に向けたい
⑦ 建物を外部から見た時の窓の配置バランスを考えたい
⑧ ロフトには上げ下げ窓を付けたい
⑨ 断熱性についてはソコソコでいい
⑩ 防犯のことを考えて、1階の窓は防犯合わせガラスにしたい
私「意外とあるなあ」
妻「上げ下げ窓ってなんね?」
私「こういうの」
妻「なんでそんな乙女なん?」
私「うるさい」
妻「まあ可愛いけど」
私「君こそ防犯合わせガラスってなんだ?」
妻「こういうの」
私「なんでそんな物騒な考えなの?」
妻「せからしか」
私「まあ、こっちのほうが安心だけど」
正直なところ、窓だけでこのプライバシー問題を解決することができるとは到底思えませんが、どうせ決めなきゃいけないんだから考えてみることにいたしましょう。
次回「薄暗い家をつくる方法(その2)」につづく