施主が本当に建てたかった家(その2)
前回は家づくりをシステム開発あるあるになぞらえてみました。といっても、私は別にシステム関係の人でもなんでもなくただのアホなのですが、一晩経ってみても当たらずといえども遠からずという気がするので、まあいいんじゃないかなあ、と。
さて、昨日最後にちょろっと出したこちらの図。システムあるあるを家づくりあるあるに改変してみたものです。ざっくり作ったので当たってるかどうかそれぞれ考えてみましょう。
【施主が説明した要件】
いやー、やっぱりここはこだわりのあるけん、憧れてた3枚板は使いたかとですよ。ずっと夢見てて憧れてたしコレだけは譲れんとですよ。ムフー。
【営業の表現・約束】
いやー、ウチは完全自由設計ですからこんな感じでソファ乗っけちゃうなんてのもできるんですよ。ほら、モデルルームでもそうなってますよねー。ムフー。
【設計の理解】
まず3枚板に憧れてるってのが訳わからんし、営業はソファ乗っけろとか言うし、でもそんなんぜったい減額調整でボシャるし、まあ、ソファ乗っかる幅だけは取ってやろうとは思うけど、それだとロープをずらす必要が出てつまり機能を果たさなくなるけど、どうせ3枚板なんかにしたら機能性ゼロなのは一緒だから、まあ、いいか。
【実際の設計図】
でもって自社のルールに当てはめて構造計算出して建築基準法に照らしたら全然さっきの成り立たないし、しょうがないから営業通して施主さん説得してもらったけどあのクソ営業が日和りっぱなしで訳わかんない作りになってかっこ悪くて耐震性もイマイチ心配だけど、まあ、俺が住むわけじゃないし、いいか。
【大工さんによる施工】
あのクソ設計士が訳わかんない図面書いてきてやがるけど、施工マニュアルと全然違うしそもそもこんな収め方できねえしこれだと雨漏りするし金具マトモにつかないし、オマケに現場に顔出す施主はあーしろこーしろうるさいし、監督の指示はこれっぽっちも要領得ないし、まあ、テキトーにつくっとけばいいか。
【現場監督の施工管理】
設計図とか見てもよくわかんないし、施主は細かいこといちいち突っ込んできてうるさいし、職人はなんか俺のことバカにしてるし、こっちはそもそも職人と材料の手配だけで一杯いっぱいだし、まあ、段取りだけやっとけば後は勝手に建つでしょ。え、施工管理? なにそれおいしいの?
【引き渡された建物】
おいのこだわりがコレっぽっちも反映されとらんうえにあそこもここもどこもかしこも手抜きのオンパレードやなかやっか! こがん建物にカネば払えいわれてもそがんもん払いきらんばい!
【請求書】
というわけで施主様、当初仕様からの変更と追加工事とオプションと現場でのやり直し代とあとは諸経費と諸経費と諸経費とアレコレ一式でこちらのお値段となります。あ、ローン大丈夫ですか?
【引き渡し後のサポート】
え? そんな事言われましても弊社の50年保証は毎年弊社の有料定期メンテナンスを受けていただいて、弊社指定の材料で修繕していただいて初めて有効になるものですから。あと、そもそも躯体や雨漏りだけが対象ですし。
【施主が本当に建てたかった家】
自分なして板3枚とか言うとったんやろか。変なこだわりでそがんこと言わんかったらもうちっとマシな家ば、もっと安く建てられたんやなかやろか。ばってん今さらそがんこと言い切らんしもうローンも組んでしもうたしあああああ。
妻「……」
私「……」
妻「なんかこう実体験と私怨が入り混じっとる気がするばい」
私「そんなことないです」
妻「ほんとに?」
私「だって、少なくとも引き渡された建物と本当に建てたかった家に大きな差はないぞ」
妻「最初に説明した要件とはだいぶ違ったけどねえ」
私「それはほら、柔軟なモノの考え方というものだよ」
妻「へー」
私「ほら、最初の要件って、つまり素人の勝手な思い込みってことじゃん?」
妻「まあ、たしかに」
私「で、それをペラペラしゃべって、営業さんがそれを愛想よくふんふん聞いてくれるじゃん?」
妻「まあ、フツーはそうね」
私「そうしてるうちに自分の言ってることが全部正しく思えてきちゃって」
妻「ほう」
私「で、そういうのが無駄なこだわりになって、結局わけのわかんないモノになっちゃう、と」
あんまり適当な言い方ではない気もしますが、しょせん私たち施主なんてただの素人。どんなに勉強したって調べ物したって、プロから見ればただの余所者になるわけです。
どんだけ野球の知識が豊富でも、ただの素人がプロのコーチになれるかといったら難しいわけで、その難しさというのは知識の量や正確さではなく、単に「オメーら素人に何が分かんだよ」というプロのプライドの壁とも言えるかもしれません。
自分の仕事に置き換えてみても、素人であるところのお客様のご意見は尊重すべきものである反面、こらアカンというようなアホな要求とかもあるわけで、でもってそういう要求に限ってなんだか異様なこだわりを見せることがあったりもするわけで。
そんな時粘り強く「おかしいよ、やめようよ」と説得できればいいのですが、心の余裕がなかったりすると、口ではなるほど素晴らしいですねなどと言いながら、片手でまったく違うモノを作ったりなどということはままあるわけで(おい)。
私「というわけで、つまり素人の最初の要求なんてウンコみたいなもんなのですよ」
妻「どういうわけか分からん上にきたない」
私「すみません」
妻「ばってんちょっとわかる気もする」
私「そうでしょうそうでしょう」
妻「君は言うことクルクル変わりすぎやけどね」
私「家まで小さくなったしね」
あー、また無闇に長くなったし、ベイスターズもヒドい負け方をしたのでまた明日。今度はこのイラストを、我が家の場合に当てはめてみます。
次回「施主が本当に建てたかった家(その3)」につづく
施主が本当に建てたかった家(その1)
なんだかたいへん偉そうなタイトルですが、私たち一家3人が程々の家に引越してきてから早くも2ヶ月。いろいろ振り返ってみて思ったことなんかを、これから家を建てる方に向けてちょっと書ける時期になったかなあ、などと思っての暴挙であります。ご笑覧いただければ幸いです。
さて、まず最初にお伝えしておきますと、私たちの程々の家、住み心地的に不満な部分などほとんどなく、たいへん快適な暮らしを送っております。
などと書くと、なに言ってんねんつい最近おもっくそ文句タレとったやんけ上の記事読み返してみろやなどと思われる向きもあるかもしれませんが、だって実際に文句がないものは文句がないのです。
なにが言いたいのかといいますと、建つまでなんだかんだあったとしても、建っちゃえば忘れちゃうことのなんと多いことか、ということ。いや、もちろん私がボケてるという可能性もあるのですが、忘れてても思い出せば腹も立つので、きっとボケてないに違いありません。
さて、私たちの話はいったん置いとくとして、いろいろな建築ブロクなんかを拝見していると、程度の多少こそあれお決まりのパターンがあるような気がしてまいりました。
どっかで見たことあるパターンだけどなんだろうなんだろうと思っていたところ、はたと思い当たったのがこちらのイラストでございます。
妻「なんね、これ」
私「システム開発の現場にありがちなことであります」
このイラスト、元は1970年代のアメリカで作られたものがリニューアルされつづけてこのようになっているもの。絵の内容に関してはいろいろな解釈があるようなのですが、たとえば代表的なものだとこんな感じ。
【顧客が説明した要件】
あのー、アレよアレ。ブランコのあるとやろ? その板ば3枚にしたら丈夫になるやっか? ほいでね、1枚のときよりいろんな乗り方のでくるとやろ? そがん便利なブランコのあったら便利やねえ。うん。
【プロジェクトリーダーの理解】
素人の顧客が言っている意味をイマイチ分かりかね、とにかくちょっと変わったブランコを作ればいいという理解であります。なので、ロープの場所をちょっと変えて終了。もっと突っ込んで聞きたいけど、分かってないと思われるのもシャクだし、営業から無能扱いされるのもムカつくし、そもそも忙しいしね。
【アナリストのデザイン】
リーダーの理解のままでは板が木の幹に当たっちゃって動かないじゃんということに気づき、とはいえ勝手にリーダーの図面を大幅に書き換えると何を言われるか分かったもんじゃないので、とりあえず木の幹をぶった切ってブランコをこげるようにして、それでも木が倒れないようにつっかえ棒を2本渡しております。
【プログラマのコード】
アナリストのデザインからは、木から2本ロープを生やしてその先に板をくくりつけるというコトしか読み取れず、仕方ないのでこのようなモノを作ります。最初はもうちょっとシュッとした物を作った気もしますが、営業やリーダーからああでもないこうでもないと言われてるうちにこんなになっちゃった。知るもんか。
【営業の表現・約束】
営業さんはとにかく豪華に、とにかく快適に、そしてとにかくお客様の夢を壊さないようにというコトを第一に考えて、ブランコの上にソファをくくりつけるコトをお約束。その分お値段もアップですが、それはそれ、これはこれ。あと、現場にブランコってことを伝え忘れてる気がするけど、まあ見りゃ分かんだろ。
【プロジェクトの書類】
当然こんなに二転三転してるプロジェクトですから、議事録なんてあってないようなもの。「そういやあの話どうなってたっけ?」なんて思っても、記録なんてどこにも残ってません。
【実装された運用】
幹に絡みついたロープと板を見た顧客との間でどのようなやり取りがあったのか知りませんが、とにかく修正に修正を重ねて納品されたのは、ご覧のように枝からロープが1本ぶらさがったもの。とりあえずぶら下がって揺られて遊ぶことは可能です。
【顧客への請求金額】
結局手に入ったのは枝からぶら下がったロープ1本ですが、請求書に書かれた金額はまさにジェットコースター級。まあ、これだけプロジェクトが右往左往すれば工数もバカになりませんし、しょうがないよね、うん。
【得られたサポート】
完成後のサポートを約束されましたが、よーく見ると最初から変わってないのは根っこの部分だけ。ので、使い方わかんなくても面倒見てもらえるのはココだけです。
【顧客が本当に必要だった物】
枝からぶらさがったロープを受け取った顧客がよくよく考えて、自分に必要だったのはこのロープの先にタイヤがぶら下がったモノだったと気付いた瞬間。1枚の木の板より丈夫で、いろいろな乗り方ができて、しかも木の板使うより低コスト。なのにどうしてこうなった。
妻「たしかにウチの会社のシステム入れ替えた時もこうなったばい」
私「あるあるですなあ」
妻「で、これがどがんしたと?」
私「いや、コレって家づくりにも当てはまるんじゃないかなあ、と」
妻「どゆこと?」
私「つまりこういう」
妻「あー」
私「システムも家も発注者が素人だし」
妻「うん」
私「その先がめっちゃ分業っていうのもおんなじだし」
妻「たしかに」
えーと、中途ハンパですが、長くなりそうなので次回に持ち越しであります。
次回「施主が本当に建てたかった家(その2)」につづく
お庭系インターミッション(その2)
過酷なDIYの日々から逃げ出すようにDIC川村記念美術館の庭園へと脱出した私たち一家3人。植物なんて草と木の二種類にしか分類できない程度の知識しか持たない私でも、なかなかに楽しめるお庭でございました。
それは妻も同じだったようで、帰ってきてなにか調べ物をしてると思ったら、声を掛けられました。
妻「やっぱりバラばい!」
私「うーん、脂身が多いからちょっと」
私「失言でした」
妻「川村記念美術館行って思ったけどやっぱりお庭は薔薇やね!」
私「あそこにちょっとでも薔薇要素があっただろうか」
妻「いいからいいから」
私「そうかいいのか」
妻「やけん明日イケア行くとやろ?」
私「はい」
妻「ちょっと早く出てバラ園ば寄って」
私「ははあ」
というわけで翌日、なぜかイケア東京ベイからほど近い谷津公園に降り立った私たち一家3人。妻の調べによると、ここには谷津バラ園という薔薇に特化した植物園のようなものがあるということ。
なんでも元々はこちら、昭和の初めから京成電鉄が経営していた谷津遊園という一大テーマパーク(当時比)あり、そのアトラクションのひとつとして作られた由緒正しいバラ園だそうです。んが、なんだかんだで谷津遊園がつぶれ、バラ園も別の場所に京成バラ園として移転してしまったものを、跡地を譲り受けた習志野市が復活させて現在に至る、と。
妻「やけん京成バラ園のほうが新しくて大きかばってんこっちで我慢したとよ」
私「恐れ入ります。って、あ!」
妻「?」
私「なんかプロ野球発祥の地とか書いてあるぞ」
妻「バラ園と同じ方向と距離やね」
私「はいゴーゴーレッツゴー」
妻「なして応援歌調になるとね」
私「……」
妻「……」
私「つまりここで合宿があったと」
妻「発祥の地と言い張るには無理のあるばい」
私「じゃ、じゃあ本題に」
こちらの碑のすぐ先にバラ園のゲートがございます。お値段は1人370円で、シーズンオフは半額になるとのこと。それでは失礼。
天気はどんよりでございますが、意外と広大なエリアが広がっていて、そこかしこにバラの生垣やら寄せ植えやらなんやかやが配置されております。左右対称なのでヨーロッパスタイルの庭園っていえばいいのかな? よく知らんけど。
これで開花率は55%とか。ちょっと季節が遅かったわけですが、満開の時はかなり壮大な眺めになりそうということは私でも理解できます。イケアツアーのついでなら、あんまり興味がない人も楽しめるかも。
と、どうにも妻が静かだと思ったら、なんだかメモを一生懸命取っております。
妻「ふんふん、コレならいけそうやね(小声)」
妻「あー、コレくらいの高さのもかわいかねえ(小声)」
私「あのー」
妻「はっ!」
私「何をメモってらっしゃるのでしょうか」
妻「品種ばい」
私「えっ、まさか」
妻「もちろん植えるとよ」
私「マジでwwwwww」
妻「やっぱりお庭といったらバラの生垣ばい」
私「まだ土むきだしなのに?」
妻「ちゃんと下調べしてからにきまっとー」
私「あら珍しい」
妻「なんせこれまでミニバラ3回頂いて全部枯らしとるけんね」
私「ファッ!?」
妻「大きいのは高そうやし慎重にやらんば」
私「ファーwwwwwwwwwww」
というわけで、なんの実験なのかよくわかりませんが、帰りがけにホームセンターでこんなものを購入されておりまして。
でもっていそいそとなるべく目立たなそうなところに蒔いておりました。
なぜクローバーなのか、何が目的なのかはよくわかりませんが、暖かく見守りたいと思います。
次回「顧客が本当に建てたかった家(その1)」につづく
お庭系インターミッション(その1)
ちまちまとしたDIYに疲れ果てた梅雨の晴れ間。ようやく格好がついてきた私たち一家3人の程々の家から外を見れば、一面に広がる青田が風に揺らいでいるのが見え、たいへんに風流な季節となってまいりました。そう、手前に見える荒れ果てた庭さえなければ。
というわけで現実逃避、もとい、気分転換に、近場の美術館に行ってみることに。美を鑑賞するような感性はこれっぽっちも持ち合わせておりませんが、目的はその美術館の庭園であります。
さすがに平日の昼間とあって駐車場はガラガラ。手前の5万円カングーさんも壊れる気配などこれっぽっちも見せないどころかここ最近の暑さでもエアコンなんて凍るほど効いてしまい、って、いや違う、お庭の話だった。
お庭のみ入場料の金200円也をお支払いして中に入れていただくと、そこは緑の別世界。いやあ、こんなお庭あったらいいなあ(棒読み)。
人工ではありますがこんなせせらぎもあると、とっても豊かな気持ちになれそうです。最近ではソーラーポンプなるものもあるようで、それなら電気代なしで井戸から水汲み上げて流せばウヒヒなどと妄想が止まりません。
とりあえずクラピアに決定した庭のグラウンドカバーではありますが、こんな広場を見てしまうと、やっぱり芝生も悪くないなあ。でもって、こんな感じの高い木植えて木陰で読書なんてウヒヒなどと妄想が止まりません。
コンクリートが主流の駐車スペースも、こんな感じでラフにアスファルトで舗装して、その境目を苔なんかでラフに侵食させるとちょっとラピュタっぽくってカッコいいなあウヒヒなどと妄想が止まりません。
高い木を植えて、そこを中心に植え込みなんかを作ると、こんな感じで木陰からグラウンドカバー越しに母屋を眺められるポイントを作れそうで、それはもう当初目標にしていた大草原の小さな家っぽい感じになっちゃうじゃんウヒヒなどと妄想が止まりません。
でもって庭にはガチョウとかアヒルとか烏骨鶏とか放して子供と戯れさせながら悪い虫とかも駆除してもらって、ペットとしてかわいがりながら美味しい卵をいただくとかカッコいいなあウヒヒなどと妄想が止まりません。
で、一周してもういちど池と噴水のエリアに戻ってきて、池は田植え前の田んぼで代用するとして、こうなるとそこにつながるインフィニティプールと噴水とか欲しくなってきますなあウヒヒなどと妄想が止まりません。
私「てな感じでどうだろう?」
妻「そこまで生臭い眼差しでこの庭見てる人もおらんやろね」
そんなこんなのDIC川村記念美術館・自然散策路でございました。驚いたことに続きます。
次回「お庭系インターミッション(その2)」につづく
魂の入居後DIY(テレビ&オーディオ編・その2)
長々と続けてきたDIYネタもとりあえず今回でいったん終了。といっても、決して作業が終わったからというわけではなく、私が飽きたからという大変深刻な理由からでございます。というわけで、テレビ&オーディオ編の続きをどうぞ。
個人的にテレビの後ろだろうとなんだろうと配線がグチャグチャになっているのが何よりもイヤという厄介な性格のため、ここからはひたすら取り回しを考えて長さを測って切ってつないでまとめてという作業が続きます。
そんなもの見せられたって皆様はこれっぽっちも面白くないでしょうが、こちらもご覧のスキマにアタマから入ってその中でゴソゴソチマチマ作業するわけでして、面白くないどころか写真を撮るような余裕もございません。ので、作業の様子は割愛。
ちなみに開口部の高さは28cmであります。万一太ってしまうと奥に見えてるコンセントにアクセスできなくなるため、大変心残りではありますがこの家を手放さざるを得なくなる可能性もあるため、ひたすら節制に励む必要があります。
テレビ側は写真を撮るのがカンタンなので、とりあえずのイメージとして。階段ボックスの中もこのくらいのまとまり方を確保しております。単に長さを合わせてタイラップで留めてという作業ですが、時間費用対効果はゼロに近いため、オススメしません。
ひとつだけ役に立つかもしれない情報として、壁掛けのときに問題になってきがちな配線の角度について。通常の配線はテレビの後ろからまっすぐ出てしまうため、壁にピッタリ寄せようとすると無理な角度で曲がってしまいがち、もしくは壁から浮いてしまいがち。
ので、今回はアンテナ線、HDMIケーブル、光デジタルケーブルのそれぞれに、L字コネクタを使用しました。前回テレビと壁とのクリアランスが5cmとお伝えしましたが、こういった系のパーツを使わないとテレビがもう3〜4cm手前に出っ張ってしまいます。
画質や音質のことを考えるとこんなもん使わないほうがいいに決まっているのですが、キチンとしたオーディオルームというわけでもありませんし、まあ、テレビの収まりがいいに越したことはございません。
さて、次の作業です。ご覧のように、上の図の点線から下は階段ボックス内に収めてしまうわけですが、ひとつ欠点があります。そう、リモコンが使えないのです。
私「どうしよう」
妻「ぜんぜん今まで思いつかんかったと?」
私「隠すことしか考えてなかった」
妻「(#^ω^)」
私「ごめんなさいごめんなさい」
妻「まあ、あんまりリモコンがごちゃごちゃするのはイヤやし」
私「はい」
妻「息子がリモコン大好きやけん、ソコも含めてなんとかしんしゃい」
なんとかしんしゃいと言われましても困るのですが、困っていてもしょうがないのでいつものようにそもそも論に立ち返ります。お題は「そもそもリモコンは必要なのか?」。
・ラジオチューナー
→ 基本的に1つの局しか聞かないからいらないといえばいらない。
→ 電源入れっぱなしでも通常7〜8Wしか消費しないから電源も落とさない。
→ よってリモコンはいらない。
・AppleTV
→ リモコンなくてもMacやiPhoneから操作できる。
→ よってリモコンはいらない。
・アンプ
→ 電源はともかく音量やソース切り替えなんかで使う。
→ よってリモコンが必要。
ううむ、どうやってもアンプはリモコンが必要。ボックスの中に収めつつ、リモコンを使えるようにするためには、下記のどちらかの手段が必要となります。ので、それぞれを検討。
・アンプをバラしてリモコンの受光部だけを外に出す
→ めんどくさい
→ アンプがキズモノになる
・ボックスに穴を開けてアンプのフロントフェイス全体を外に出す。
→ めんどくさい
→ 階段ボックスにでっかい穴を開ける必要がある
妻「詰んでるやん」
私「いや、ひとつ腹案が」
妻「どうぞ」
私「アンプを買い換える」
妻「却下で」
私「いやちょっと聞いて聞いて!」
私が使っているアンプは、その昔購入したその昔の中級機。なので、大きく重くなにより消費電力がハンパないという特徴を兼ね備えております。
んが、時はすでに21世紀。世の中にはデジタルアンプという小さく軽くなにより消費電力がものすごくちっちゃいくせに、音だけはいっちょまえという文明の利器が登場しております。
私「そいつに買い換えればいいでやんす」
妻「えー」
私「いやいや、今のアンプ売ったお金で買えるし」
妻「そんな安いん?」
私「それになにより電気代が段違いだからすぐにモトがとれるぞ」
妻「えっ」
私「ほんとほんと」
妻「てことは今までの高額な電気代の原因は」
私「あっ……」
このようなやり取りを経て、アンプ買い替えの許可を得た私。目論見どおり売ったお金でソコソコ評判のいいデジタルアンプを買っておつりがどっさり返ってまいりました。ラッキー。
というわけで、新しいアンプ用の穴を開けます。場所は階段の下側。もうちょっと気の利いた場所に取り付けたかったのですが、階段ボックス内部の梁をよけつつ、いちばん使いやすい場所ということでこちらを選択。
で、こんな感じでアンプを埋め込みます。すでに家に穴をあけることには何の抵抗も感じなくなっております。
で、アンプからはスピーカーケーブルが出るわけですが、それ用の穴も階段ボックスの左右に開けます。が、表面のパネリング材が柔らかいため、フツーにドリルで穴を開けたらこんな感じでグサグサに。ひー。
このままではさすがにアレなので、ホームセンターでハトメを買ってきて叩き込んで完成。おお、一見マトモになりましたなあ。
最後は無印のPP収納ボックスを中にピッタリ収めて完成。って、実は階段ボックスの高さが5mmほど足りず、泣きながら無印ボックスの底をホットナイフでぐるりと切り落とすというひとコマも。
私「というわけで完成です」
妻「ホントにテレビとプレステ以外見えんようになっとるばい」
私「そうでしょうそうでしょう」
妻「リモコンもテレビ用の1コにまとまってるし」
私「イエス!イエス!」
妻「あれ?」
私「?」
妻「アンプのリモコンは?」
私「ないよ」
妻「え?」
私「このアンプ、リモコンないから」
えー、私が購入したこちらのデジタルアンプ、このクラスのものとしてはごくごく一般的なことにリモコンがございません。ので、直接機械のとこまで行って操作する必要があります。
妻「(#^ω^)」
私「いやちょっと待ってちょっと待って」
妻「(#^ω^)」
私「そもそも音量なんてそんなにクルクル変えないじゃん!」
妻「……」
私「あとテレビとラジオの切り替えとかもそんな頻繁にはしないし!」
妻「……」
私「……(ゴクリ)」
妻「それもそうやね(あっさり)」
えー、ここまでダラダラとDIYネタをお送りしてまいりましたが、結論としましては持つべきものは理解のある妻ということに尽きるかと思われます。いやあ、いい締め方だな、うん。
次回「お庭系インターミッション(その1)」につづく
魂の入居後DIY(テレビ&オーディオ編・その1)
昨晩気にしていたル・マン24時間レース中継ナイトセッションどうするんだ問題ですが、前半はトヨタさん捨て身の話題提供による力技、後半はその反動による居酒屋中継で乗り切るというしょうもなさで、もはやコメントのしようもございません。とりあえずポルシェさんとジャッキー・チェンさんはおめでとうございます。
さて、本題に戻ってテレビ&オーディオ編と銘打ってのお届けとなります。以前もWEB内覧会にてちょろっとご覧いただきましたが、私たち一家3人の程々の家では、テレビを階段の巨大な踊り場に設けたニッチに壁掛けする予定でおりました。文字だけではまったく意味がわからないかと思いますので、こちらをご覧ください。
ニッチと言っても後ろに構造用の柱があるためヘコみ幅は5cmほど。それでも、ちょっとでも壁にくっついてないと前を通る時に激しくジャマなので、こちらはお願いしてよかった部分だと思っております。
で、そのニッチの下には巨大な階段の踊場がございまして、ご覧のようにフロント部分がガバチョと開きます。なぜこんなワケの分からない作りになっているかといいますと、まず第一に家が小さいから。第二にAV関係の機器をなるべく外に出したくなかったからという理由。
ていうか、事前に配線の予定図をご覧いただいたほうがイロイロと分かりやすいかと思いますので、まずはこちらをどうぞ。
センターの点線から上の機器はテレビニッチに、点線から下は階段ボックス内に配置いたします。ので、その点線を突っ切っている4本のケーブルは、少なくとも壁の中を通さなければいけません。BESS東葛さんに相談だ。
私「ということで事前にコンセントとパイプみたいの仕込んどいてください」
B「そんなの仕込まなくても穴さえ開ければ裏スカスカだから配線通りますよ」
私「断熱は?」
B「別に高気密高断熱住宅とかじゃないし」
私「いやそういう問題じゃないだろ」
そんなやり取りはあったものの、何がしたいんだコイツみたいな視線をひしひしと感じながら、かろうじてニッチの中と階段ボックスの中、それぞれにコンセントとTVのアンテナ線を用意していただきました。
問題は壁の中の配線。上の言葉を鵜呑みにして穴を開けてみたトコロ、予想に反して中にはみっちり断熱材が詰まっており、オマケに柱なんかがジャマで手持ちの工具では上下が貫通いたしません。
私「なんとかして」
B「電気屋さん派遣します」
そう言われたにもかかわらず、当日いらっしゃったのが例の現場監督くんだったのは特に驚きませんでしたが、その監督くんが頑張ってゴリゴリと壁の中に仮の配線を通してくれて、その後には大量のグラスウールのカケラと表面のビニールが散らばってたわけですが、もはやそれも驚くには値せず、あ、なんだ、別に何も驚いてないや。ははは。
そんなやり取りもありましたが、こっからがDIYのお時間です。やることを順番にまとめてみました。
【やることリスト】
① テレビ&PS3壁掛け
② 階段ボックスに穴を3ヶ所開ける
③ 仮配線をガイドにしてニッチと階段ボックスの間に配線を通す
④ 全体の配線
文字にするとたった4行ですが、アタマの中で考えた工数はやたら多く、ひたすらうんざりいたしますが、まずは①から。
今回用意したテレビ用の壁掛け金具はこちらの商品。探せた範囲でいちばん壁にピッタリと取り付けられ、さらにはアームを伸ばしてテレビを左右に振ることができる商品でございます。
我が家の場合、テレビが1ヶ所しかないため、たとえばキッチンに立ちながら野球を見たり、広縁にでて涼みながら野球を見たり、土間でゴソゴソしながら野球を見たりする場合、テレビを左右に振れるとたいそう便利。なので、可動範囲が大きいものを選択いたしました。
こちらは単純にネジで取り付けるだけのため、作業はなんの問題もなく完了。ご覧のとおり、まあ、フツーに壁掛けでございます。
壁とのクリアランスはこんな感じ。スキマが5cmで本体の厚さも5cmの、トータルで10cmほど壁から出っ張るカタチとなりました。
この程度であれば階段の昇り降りを含めた普段の動線で、全然ジャマには感じません。ていうか、ここまで追い込むのはけっこう面倒くさかったのですが、その話は配線のトコロで。
テレビを持って手前に引っ張るとこんな感じで左右に振れます。手前に引っ張った時にガタつくようなこともなく、配線もまとめやすい作りになっていて、こちらの壁掛け金具にはかなり満足。
てなわけで、最初の目標どおり、キッチンから広縁まで大変快適に野球観戦が可能な環境になって嬉しい限りなのですが、そういうのをお伝えしようと写真を撮る日にかぎって雨天中止とかいう持ってなさ。
妻「ねえねえ」
私「はい」
妻「テレビはわかったけんが、プレステはどうやって壁にくっついてるとね?」
私「いい質問ですね」
洗面のDIYでミラーを固定したこちらのマジックテープをPS3の固定にも使用。クリアランスほぼゼロでがっちり固定できて、おまけに取り外しも可能という夢のようなアイテムです。ホンマ3Mさんには足を向けて寝られへんで!
次回「魂の入居後DIY(テレビ&オーディオ編・その2)」につづく
魂の入居後DIY(ペンダントライト編)
興味のない向きにはぜんぜんどうでもいい情報ですが、今年のル・マン24時間レースはJスポーツが25時間半まるまる中継してくれております。もちろん私としては嬉しいのですが、現場でも真っ暗でよくわからないナイトセッションをどのように乗り切るつもりなのか不安でもあります。
さて、私たち一家3人の程々の家には、キッチンカウンターの上にダクトレールを用意しております。
そもそものリクエストにキッチンカウンターでお酒をおいしくいただきたい(妻が)というものがあったため、じゃあいい感じのペンダントライトでも探してきて吊るかというつもりで、これっぽっちも深く考えずに取り付けておりました。
妻「さあ約束ですいい感じのペンダントを吊ってください」
私「ヒエ〜ッwwwwwww」
妻「なにか?」
私「いえ別に」
妻「どんなのがあるとね?」
私「定番だとこんなのとか」
妻「色はともかくよかやっか」
私「1つ7万円とかですが」
妻「はい却下」
私「じゃこんな感じ?」
妻「ただでさえ暗い家にこがんライト吊ったら地下牢のごたるよ」
私「ほいたらこんなんは?」
妻「小さかのは可愛かばってん、せっかくやったらもうちょっと可愛いのがよかね」
私「というと?」
妻「なんかちょっとアンティークっぽいのとか?」
私「いかがかしら?」
妻「んー、ムードのあるけんがガラスはちょっと」
私「ワガママですなあ」
と、そんなやり取りの結果、1ヶ月経っても吊らず終いだったのですが、ちょっとアンティーク系の家具屋さんに立ち寄ったトコロ、なんとなくかわいい紙のランプカバーがあったので衝動買い。というわけで、そいつをベースにペンダントライトを作ることにいたします。
用意したのはELPAのダクトレール用ソケット&コードと、イケアのフィラメントLED電球。E27サイズなので大きいかなあなどと思いましたが、まあ、とりあえずということで。
こちらのソケット&コード、長さがちょっとオーバーなのでゴニョゴニョしてちょうどいい高さになるように調節し、電球くっつけてランプカバー被せて完成です。楽勝楽勝。
私「どうよ?」
妻「上が広がってるのがかわいかねえ」
私「たしかに」
妻「赤いのも後ろのタイルと合っとるし」
私「じゃあコレで完成で」
妻「でもヒモがぐにゃぐにゃしてるのなんとかならんの?」
えーと、このヒモことコードは上の画像のように折りたたんで届くので、当然のように折れグセがついてしまっております。ほっとけばそのうち伸びるような気もしなくもないのですが、仕方がないので直します。
使うのはこちらのヒートガン。こいつでコードをあぶりながら引っ張ってやると、大体のコードの折れグセは直ってしまいます。ちょっと時間はかかるけど、ドライヤーでも問題なく代用可。
そうそう、こんな感じ。あんまり近づけたり暖めすぎるとコードからケムリが出たりしますが、滅多なことでは燃えないのでガンガンにあぶってあげましょう。
ご覧のように、ぐにゃぐにゃのコードがほとんどまっすぐになってしまいます。不思議不思議。
おお、コードがまっすぐになるだけで、見た目の印象がものすごくスッキリしますなあ。面倒くさかったけどやってよかった。
夜に点灯するとご覧のような感じ。いつの間にやら我が家のテーマカラーとなった赤が差し色になっていて、低めの色温度と相まってとってもいい感じ。換気扇のフードと高さをだいたい合わせたので、小ぶりなサイズということもあり存在感もちょうどいいところに落ち着きました。
このムードに気を良くして、トルコで買ってきたステンドグラスのミラーを引っ張り出してまいりました。
今までの家には置く場所がなく、オマケに電球がE14という日本では見ない規格だったので捨てちゃおうかどうしようか迷ってたのですが、奮発してLED電球を取り寄せて、広縁側のかどっこ、スピーカーの上に設置。おお、こちらもいい感じ。
トルコのワケの分からない市場で買ってきたのでスイッチがなく、点灯消灯はコンセントを直接引っこ抜くという漢らしい仕様だったのですが、常夜灯代わりに使いたかったのでスイッチを追加。使いやすさもアップであります。
そんなこんなで照明が増えた程々の家。すっかり気に入って、夕食後は今回作った2灯とテレビ下の間接照明だけで過ごすことが増えました。一般的には真っ暗といえる明るさですが、元々が薄暗い人間なのでこれっぽっちも気にしないもんね。
次回「魂の入居後DIY(テレビ&オーディオ編・その1)」につづく
魂の入居後DIY(洗濯機編)
さて、これまではさんざん木やら壁やらを切り刻んで穴を開けてまいりましたが、本日からのお題は電気。というか、家電製品であります。家電でDIYとはこれいかにと思われる向きもあるかと思いますが、思いどおりの家づくりのためには欠かせない項目であります。たぶん。
ていうか、フツーは冷蔵庫やら洗濯機やらに合わせて家を設計する気もするのですが、それやっちゃうとどうしても買い換える時どないすんねんなどと思ってしまい、というわけで私はどちらかといえば家電を家に合わせて改造する派であります。弱小派閥であるということは重々承知之助です。
あ、最初にお断りしておきますが、ここに書いてあることはひょっとすると法に触れる可能性がなくもない気がいたしますので、それだけはご注意を。
さて、まずは洗濯機から。私たち一家3人の程々の家、洗濯機置場はパントリーの中になります。でもって、防水パンはございません。すると、どういうことになるかといいますと、こうなります。
タイルの床の上にニョッキリ生えた排水口。この上に洗濯機を置くことになるわけですが、つまりこの出っ張りのぶん洗濯機を上に浮かす必要があります。
妻「こういうのでよかやっか」
私「やだ」
妻「なして?」
私「下にホコリが溜まるしコケそうだし、なによりカッコ悪い」
妻「じゃあ洗濯機をヨコにずらす?」
私「やだ」
妻「なして?」
私「ヨコに排水口が見えてカッコ悪いし、なによりヨコにずらすようなスペースがない」
かさ上げするのもイヤ、ずらすのもムリとなると、残された方法はひとつ。洗濯機の底をえぐります。
先日の記事でちょろっと触れたように、私たち一家3人の程々の家にやってくることになった洗濯機は親戚からの頂きもの。キレイではございますが、まごうことなき中古品でございます。というわけで、なにも恐れることはありません。切り刻んでやりましょう。
えー、この洗濯機、なんだか重量が70kgとかありまして、それを倒して底をホットナイフとノコギリとニッパーで切り刻む姿は、作業の内容も相まってまさに一人相撲というワードがピッタリだったのですが、そんなこんなで余裕もへったくれもなく、いきなり完成写真であります。
画面上の方、四角く切り開かれているのがそこはかとなくお分かりいただけますでしょうか? ちょっと切り抜いたくらいに見えますが、さすがに洗濯機だけあってこんな下らない部分もやたら丈夫に作ってあり、たいそうな面倒くささでございました。
ホースももちろん長さに合わせて切り取って、シールテープとタイラップでジョイントにくっつけ、さらにギリギリを追求するために排水口のネジも外して接続。最短距離で排水できるようにいたします。
コレ、8割方自己満足ではありますが、ちょっと調べてみたところ、この日立のビッグドラムという洗濯機。この排水口を通して乾燥時の風を下水に流し込んでおり、ココの流れがスムーズじゃないと逆に下水のニオイが上がってくるという特徴というか欠点というかがあるとのこと。
というわけで、この部分をスムーズにするのは大切だと思います。同じビッグドラムユーザーはマネしていいよ。何も洗濯機切らなくても、かさ上げしてホース切るだけで十分だけど。
そんなこんなで、ご覧のようにかさ上げもしてないのに壁ピッタリに洗濯機を置くことができました。土間の上に直接置いているため、脱水や乾燥時の音や振動がほぼゼロ。この背面のクリアランスでも当たったり擦れたりは一切ございません。
私「ドヤァ」
妻「あのさ」
私「はい」
妻「ほかにやることいくらでもあるんじゃない? 庭とか」
私「ファッ!?」
次回「魂の入居後DIY(ペンダントライト編)」につづく
魂の入居後DIY(階段編)
先日無事に我らが息子が1歳を迎え、いや、実は予期せぬ呼吸停止が2回ほどありましたが、まあそれでもとにかく現在では元気に歩き回っております。おそろしい。というわけで、本日は長男生誕記念特別DIY企画をお届けいたします。誰が読むんだコレ。
えー、そんなおそろしいほど歩き回った結果、最近では目を盗んで階段にチャレンジしております。馬鹿と煙は高いところに登るとはよく言ったものです。
悲しいことにオツムは両親に似てしまったと思われる我らが息子。「あれ、いない」と思ったら階段のだいぶ上の方でニコニコしているとかはザラでして、おまけに3段目くらいから転げ落ち、このままでは3回目の心肺停止もそう遠くない将来のことのように思われ、3度目の正直という単語が脳裏をかすめたため、早急な対応が求められております。
妻「どがんしよ」
私「柵みたいのが必要でしょうなあ」
妻「ベビーゲートってやつやね」
私「でもカッコ悪いんだよなあ」
妻「こういう木のもあるよ?」
私「むー」
妻「ワガママ言うならまた作らせるよ(#^ω^)」
私「えー」
妻「というわけでテキトーなの買ってくるけんね」
私「ひー」
子供がちょっと大きくなるまでということであれば、テキトーなのを買ってきてごまかすというのもアリだとは思いましたが、よくよく考えたら第二子(来るのか?)とか第三子(来ないだろ?)とかの時にまたいちいち設置するのも面倒なので、常設しても違和感がないモノを作ることに。
ホームセンターを巡回していろいろ考えて、こちらのパーツを購入。外構用のラティスフェンスとタルキ、スプリング丁番でございます。全部で2000円くらいでございました。
塗料は相変わらずペンキ屋さんが残してってくれた内装用の塗料をそのまま使います。色合せする必要がなくてラクチンとか思ってたら、ラティスフェンスは防腐剤が塗ってあって、イマイチ同じ色にならないという悲しい事案が発生。くそう。
このスプリング丁番、イマイチ付け方がよくわかりません。ので、備忘録代わりに解説を。おじいちゃんかよ。
えー、上の画像では手前側に開くように取り付けている状態で、最初閉じてるのを角に押し付けるようにして開いて、ポストとなるタルキにネジ止めします。あ、タルキは階段の側板(ささらって言うんだっけ?)の角度に合わせてカット済みであります。
で、さらにそっからぐいっと丁番を開いて、スイングする扉部分にネジ止めします。ちなみにこのネジ、最初から付いてきたやつで色が合っているのはいいのですが、驚くほどナメやすいのでお気をつけください。
コレで完成。おお、なんか西部劇の酒場のドアみたいでカッコいいぞ。
コイツをおもむろにコーススレッドで壁にネジ止めいたします。せっかくの新築ではありますが、すでに私たち一家3人の程々の家は穴だらけであります。
さて、コレだけでは扉がバネに吊られてブラブラしてしまうので、ストッパーを作りましょう。テキトーな建材用のL字金具を買ってきて、当たり止めのクッションを貼って、タッピングビスを用意して。
こんな感じでポストと反対側の手すりに取り付けます。ああ、また穴が。
これを2セット繰り返し、階段の両端にベビーゲートが登場いたしました。色の違いもあんまり気にならず、やっつけで作った割にはわりかしいい感じであります。
上下どちらも「開いて階段に進入」という向きに作ったので、扉を手前に引っ張りつつ階段を登ることができる程度の知能と器用さと体力がない限り、枕を高くして寝られるはず。というわけで実験実験。
フハハ、馬鹿め! 下からくぐれるとでも思ったか!
使ってみると意外と使いやすく、夜中にねぼけて大人が階段から落ちることも防げて一石二鳥。これで階段問題はひとまず解決いたしました。
【ベビーゲート】
フェンス 2000円(2枚)
タルキ 250円
スプリング丁番 500円(2セット)
合計 約3000円
えー、このほぼリアルタイムDIYネタ。巡業帰りでやることが溜まっており、もうちょっと続く感じなのですが、読んでて面白いのかなコレ?
次回「魂の入居後DIY(洗濯機編)」につづく
魂の入居後DIY(ダイニングテーブル編・その2)
「テーブルがなければ作ればいいじゃない」的なノリで製作させられる、もとい、させていただくことになったダイニングテーブル。当然ながら机なんて作ったことありませんが、カタチを見る限り板に棒をくくりつければ完成する気もするので、まあ、やってみることにいたしましょう。
さて、前回決定したテーブルの仕様は以下の通り。基本的にはイケアで売ってた大きいテーブルと同じ値段で、もっとカッコいいのを作れということですね。
【ダイニングテーブル仕様書】
・天板は一枚板
・シュッとしたシンプルなデザイン
・サイズは長さ240cm・幅100cm
・予算は6万円
というわけで、一枚板の天板を用意いたしました。ゴムの集成材で厚さは30mm。画像からはこれっぽっちも伝わりませんが、一人でクルマに積み下ろしできないレベルの重量であります。
イケアのテーブルで不満だった点のひとつとして、伸縮式のため天板に継ぎ目が出来てしまうことがありました。一番安いゴム材ですが、やっぱり同じようなサイズでも1枚なのと2枚つないであるのでは、なんとなく迫力が違う気がしなくもなくもない。
本棚のときはサボりましたが、今回はダイニングテーブルということで表面をちょっと磨きます。なぜだか手元にランダムアクションサンダーがあるので、木工用のペーパーを買ってきてコレでグリグリ磨いていきましょう。
よく木工で使われるオービタルサンダーに比べて仕上がりは今一歩劣るらしいですが、なによりスピードが段違いで失敗しづらいので、私のようなズボラ大将にはピッタリのキカイであります。10分くらいであっさり終了。
磨いたら今度はオスモカラーを塗ってやります。イケアテーブルのもうひとつの不満として、塗装がイマイチ安っぽいというのがございましたが、さすが定評のある塗料だけあってとっても自然な仕上がり。本棚なんかに使ったのはもったいなかったかなあ。
ていうか、リアルに広縁(と照明)が大活躍なのですが、これさえなければこんなもの自分で作る羽目にならないで済んだのにと思うと若干微妙な気分です。
キチンとオモテウラ塗って一晩寝かしたら、室内に引っ張り込んで裏っかえしに。反り止め用の金具が3ヶ所埋め込んでありますね。
でもって、こちらも届いたスチールの脚を、付いてきたネジで四隅に止めます。この脚、床と接する部分がネジ式になっているので、ガタツキを防ぐことができる模様。お値段ソコソコで仕上げもソコソコなので、これはまあまあの買い物でございました。
ちなみに、脚が40mm角じゃ細いんじゃないかとか、240cmのスパンだと天板のセンター部分がタレてくるんじゃないかとかいろいろな心配がありますが、やってみなくちゃ分からない精神でどんどん先に進みます。
先に進むも何も、天板に脚をくっつけたらそれでおもむろに完成。ご覧のような見た目は立派なダイニングテーブルが完成いたしました。
なにより大きいので、イケアのアームチェアを余裕で片側3脚は配置できるという素晴らしさ。ていうか何だこれは、店か?
空間に対するサイズ感はご覧の通り。周囲を余裕で歩き回れるだけの余裕はあり、シンプルなデザインのおかげで圧迫感も意外なほど感じることなく、何よりも無闇に豊かな気持ちになります。
妻「やっぱり大きなダイニングテーブルってよかねえ」
私「心なしか料理も美味しく感じますなあ」
妻「これでテーブルに燭台なんてあったらカンペキやねえ」
私「ワークスペースが広いから仕事もはかどりますなあ」
妻「若干グラグラしとるけど、なんとかならんの?」
私「うっ」
妻「いっぺん揺れだしたらなかなか止まらんばい」
私「たぶん脚の構造的なもんなんだけど」
妻「?」
私「脚本体と取付のL字部分にガゼットをつければ改善するはず」
妻「がぜっと」
私「こういうの」
私「コレのパイプとパイプの交点にあるプレートみたいな」
妻「筋交いみたいな?」
私「そうそう」
妻「じゃそれお願い」
私「えっ!?」
てなわけで、フツーのソファとラグの代わりに、でっかいダイニングテーブルと座りやすいアームチェアがやってきた私たち一家の程々の家。多少の問題はありますが、シュッとしててカッコよくて、大ぶりなアームチェアでキチンとくつろげて、仕事にも趣味にも使えて、オマケにご飯も美味しく食べれるという空間になりました。って、リビングはどこに行くんだろ、この家。
【ダイニングテーブル】
天板 36000円
脚 20400円
合計 56400円
次回「魂の入居後DIY(階段編)」につづく